V O I C E O F S E T T L E Rセンパイ移住者

伊原奈津葵さん
Iターン
伊原奈津葵さん
  • 出身地東京都
  • 現住所高松市
  • 移住年2017年
  • 仕事Life Takamatsu / Kinco.

移住の高い壁を乗り越えるきっかけは、周到な準備ではない

「香川のことがずっといいなと思っていたんですが、全然ご縁が無かったんです」

9年間も気になり続けていた相手への、意を決してのアプローチが実ったときの気分は、一体どんなものだろう。外国人観光客向けに高松を中心とした香川の情報を発信するWebサイト「Life Takamatsu」の運営とゲストハウス「Kinco.」のスタッフとして働く伊原奈津葵さん。9年間も片想いが続いていたにも関わらず全然縁に恵まれなかった香川への移住は、ある些細なアクションを機に、わずか半年足らずで実現したのだという。



香川が、ずっと気になっていた


「初めて香川に来たのは9年ほど前の夏休みの旅行です。四国自体が初めてで、ベタにうどん屋さん巡りをしました。そこで、全くイメージに無かったんですが、地形のすばらしさに驚きました。瀬戸内海にいくつもの小島が浮かぶ景観は、国内でも国外でも見たことが無いものでしたし、内陸にある御椀型の山の形はメルヘンチックでかわいいなと。そこから翌年も立て続けに香川に訪れ、香川が気になり始めました。最初は、お気に入りの旅行先のひとつという程度だったんですが。私は、田舎が無いんです。親戚一同見渡しても首都圏を出ることはないですし、田舎や方言をうらやましいなと思っていました。今から田舎をつくることはできませんが、自分の思い描く田舎に旅をするのは自由だなと思ってよく旅行をしていました。ある時旅行先で友人ができる経験があり、人に会いに行く旅がいいなと思うようになりました。そこから地域に関わりたいという想いを持ち始め、東京から地域に関わるプログラムに参加するようになります。しかし、心の中で『香川が良いな』とずっと思っていたんですが、残念ながら香川に来るプログラムが全くなかったんですよ。東北地方や寒い地域によく行っていましたね。以前はニュージーランドに10年住んでいて、冬がとても寒かったこともあって、暖かい瀬戸内に惹かれていました。あとは9年前の旅行の原体験。しかし、本当に香川にはご縁が無かったんです」



片想いしていたまち、縁をつくったのは自分から


「東京にいなくても良いかなと思い始めたのが2年ほど前です。そのタイミングで結婚して、夫も東京にあまり未練は無いとのことで、二人の意向が合致しました。二人で香川に来たのは2回だけです。ただその2回でも、全然地元の人との出会いが起きなかったんです。つくづく縁が無いなと。ただ、『そんなに気になるのであれば、自分で流れをつくろう』と思い、検索エンジンで『香川 転職 エージェント』で検索したんです。検索したのが12月初旬で、12月下旬には香川でエージェント会社の方とお会いすることになりました。そこでいろいろな話をしながら、趣味趣向や自分のやりたいこと、東京での仕事の話を聞いてもらい、今の仕事を紹介してもらいました。お会いした社長さんがとても魅力的で、『この人の元で働きたい』と思ったので、1月に詳しい相談をした際にもう決めました。東京の仕事の引継ぎ等を終えて3月末に退職、5月に移住しました」


東京と、高松と、暮らしてみて見えてくる違い


「お金の使い先、時間の使い方が変わりました。東京にあって、高松にないものは特にないんですが、車はあった方がより楽しめるなと思います。東京と比べて目的地の絶対数は少ないですが、香川は小さいので車を少し走らせるとすぐに行ったことのない県まで行けますし、2日でも夫婦の予定が合えば遠出できるので、車での遠出が増えました。あとは自転車を使うことが増えましたね。自転車で行くか、車で行くかという選択肢があるだけでも、まちがコンパクトなんだと感じます。土との距離が近いのも良いですね。縁があって、貸し農園を始めました。今はまだ野菜もいただくばかりですが、そもそも東京にいたらいただくようなこともないですよね。都会にあるものが一通り揃っているのに、自転車で10分も行けば農園のような場所に行けます。あと、東京とは人との距離も違いますね。あるお店に訪問したら話が盛り上がって、そのまま夜までごいっしょさせていただいたり、人をご紹介いただいたことがありました。東京の場合は、人がとても多いので、何か関心が合致した場合でも人と人とを紹介したり結びつけたりすることはなくて、世間話で終わることがほとんどです。高松の場合、『それだったら知り合いにこんな人がいるよ』という話を、自然に世間話の延長で、縁をつなげるところが特徴的だなと感じました。移住される方は、最初の一声をあげたり、最初のアクションを起こしたり、その恐怖はあると思いますが最初の一歩乗り越えたらとても楽しいのではないかと思います」

いっしょにお話を伺った旦那さんも、「東京にいるときと大きな変わりは無く、生活に不便なことはひとつもないですよ」と優しい口調で語ってくれた。夫婦共々、高松での暮らしに満足度は高い。

移住は、生活環境や仕事が大きく変わる、とても心理的にも物理的にも敷居の高い出来事だ。しかし、その敷居を越えるきっかけになるのは、周到な準備はもちろんのこと、実は些細なひとつの行動だったり、地元の人の些細なつながりや縁だったりするのかもしれない。1度輪に飛び込めば、高松はとても温かいつながりに溢れたまちだ。そこに飛び込む、ひとつの小さな一歩が、高松との距離をぐっと近づけてくれるのではないだろうか。


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